断熱膨張:熱を失わずに冷える仕組み
1 · 予測
気体が周囲と熱をやり取りする時間がないまま急速に膨張する(断熱)。熱が出入りしなくても、気体の温度は変化するか?
- 気体は冷える — 自身の内部エネルギーを使って周囲に仕事をする。
- 熱のやり取りがないので、温度は変わらない。
- 気体は膨張すると温まる。
2 · 準備
- 「断熱膨張(adiabatic-expansion)」プリセットを開き、リセットを押しなさい。二原子分子の窒素1 mol(f = 5)が24.9 L、300 Kの状態から始まる。
- 容器の最終温度表示を有効にする。
- 各試行の目標(最終)体積を設定し、最終温度と行われた仕事を記録する。
3 · データ収集
| 最終体積 V₂ (L) | 気体がした仕事 W_gas (J) | 最終温度 T₂ (K) |
|---|---|---|
| 37.41 | ||
| 49.89 | ||
| 62.36 |
3回の試行について、最終温度 T₂(縦軸)を最終体積 V₂(横軸)に対してプロットする。曲線は下向きに曲がるか?
4 · 分析
- 1回の試行について、γ = (f+2)/f = 1.4、T₁ = 300 K、V₁ = 24.9 L を用いて T₂ = T₁·(V₁/V₂)^(γ−1) を計算する。次に W_gas = −ΔU = −(f/2)nR(T₂ − T₁) を計算する。両方を表と比較する。
- すべての試行で Q = 0 なので、第一法則から正確に ΔU = −W_gas が得られる。熱を取り込めない膨張気体が正の仕事をすると冷えなければならない理由を、エネルギー保存の観点で説明する。
5 · 発展
- エアゾールスプレー缶は、気体が急速に流出・膨張すると冷たく感じる。周囲との熱交換には速すぎるためである。これが断熱冷却の現実の(完全ではない)例である理由を説明する。
- ここでの最終温度を、isothermal-compression(等温圧縮)の逆過程(等温膨張)が同じ体積変化に対して示す結果と比較しなさい:等温過程ではTが一定に保たれるが、この断熱過程ではそうならない。熱交換がないという仮定を外すと、なぜ結果が変わるのか説明しなさい。
この実験の物理
断熱過程
熱交換がない(Q = 0)とき、第一法則は ΔU = −W_gas となる。膨張する気体は自身の内部エネルギーを使ってのみ仕事ができるため、冷えなければならない。圧力と体積は P·V^γ = 定数 に従う。