コンプトン散乱:90°での波長シフト
1 · 予測
X 線光子が自由電子に散乱される。散乱光子の波長は変化するか?変化するなら、シフト量は散乱角に依存するか?
- 波長シフトはどの角度でも同じである。
- はい — 波長シフトは散乱角とともに増加し、180°(真後ろ)で最大になる。
- 散乱光子の波長は変化しない(古典的な波の散乱と同じ)。
2 · 準備
- compton-90 プリセットを開き、「リセット」を押す。入射 X 線の波長は 0.05 nm である。
- 波長シフトの表示を有効にする。
- 各試行の散乱角を設定し、波長シフトを記録する。
3 · データ収集
| 散乱角 θ (°) | 波長シフト Δλ (pm) |
|---|---|
| 30.00 | |
| 60.00 | |
| 90.00 |
3回の試行について、Δλ(縦軸)を (1 − cos θ)(横軸)に対してプロットする。原点を通る直線になるか?
4 · 分析
- 1回の試行について、h = 6.626×10⁻³⁴ J·s、m_e = 9.109×10⁻³¹ kg、c = 3×10⁸ m/s を用いて Δλ = (h/(m_ec))(1 − cos θ) を計算する。表と比較する。
- Δλ は入射波長にまったく依存せず、角度だけに依存することに注目する。入射 X 線が 0.05 nm でも 0.5 nm でもコンプトンシフトが同じ理由を説明する。
5 · 発展
- コンプトンの 1923 年の実験は、光が単なる波ではなく、明確な運動量をもつ粒子(光子)として振る舞うことを示す歴史的な証拠だった。純粋な波の描像では散乱時の波長シフトはまったく予測されない。波長に依存するシフトが古典的に説明できなかった理由を説明する。
- 定数 h/(m_ec) ≈ 2.43 pm は電子のコンプトン波長と呼ばれる。電子に散乱されるとき、光子の波長がどれほど変化し得るかの自然な大きさの尺度をこれが定める理由を説明する。
この実験の物理
コンプトン散乱の式
自由電子に散乱された光子は、Δλ = (h/m_ec)(1 − cos θ) により長い波長へ移る。シフトは散乱角 θ だけに依存し、光子が粒子のように運動量をもつ直接的な証拠である。